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▼コメント[必須]>>72 > 「んぁ? 誰だあれ?」 見ると一人のスクール水着姿の中学生くらいの女の子が、まるで俺達が来るのを待っていた様に乗ってきたレンタカーのボンネットに腰掛けていた。 「…こんにちは。 これお兄さん達の車?」 「あぁ、借りた車だけど、そうだよ。キミは? 地元の子?」 コクッと頷いたかと思うと、同時にピョンッと車から飛び降りた彼女は、 俺達の顔を一人一人品定めでもする様に見上げて、俺達の間をねり歩きながらこう言った。 「あの…よかったらこの近くの駅まで乗せていって欲しいんだけど、駄目?」 「そうだなぁ、あと10年、いやあと5年経ったら是非にでもと言いたいところだけどさ…」 人一倍女好きの修平がそんな冗談を言いながら断ろうとしたので、俺はすかさず 「いや、困ってるみたいだし乗せていってあげようぜ。駅の近くに行けばラーメン屋くらいあるだろうし、どうせついでだろ?」 と言って、その少女の願いを聞き入れようとした。 「駄目だ! おい、早く車を出すから、みんな急いで乗れ!」 突然、大きな声を出して仁が反対してきた。 やや青冷めた顔でその少女の方を見ながら俺達を車へと急かす。 「どうしたんだよ、突然。この辺は車も通らないだろうし、彼女もこんな格好で置いてけぼりじゃかわいそうだろ?」 そんな言葉にも聞く耳を持たず、仁は車にキーを挿しエンジンをかける。 「いいから…よし、全員乗ったか? 出すぞ」 遠ざかる車の中で、バックミラー越しに彼女の姿が見えたが、特に落ち込む様子もなく、 じっとこちらを見ている様に彼女は突っ立っていた。 「なぁ、どういうことだよ、説明してくれよ?」 「あっ、この4人の中でお前だけ彼女がいるからって、その彼女に義理立てて女は乗せないってか?」 「あんな子供だってのに、色男は何かと気を使って大変だなぁ、おい」 そうやって3人で茶化したものの、仁は訳を答えず、強くアクセルを踏み込んだ。 加速した車が、陽炎が揺らめくアスファルトの道を駆けていく。
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